和の宿
どうして私は駄目なんだろう
特に中学生になってから、応援団長を始め、生徒会役員とか体育部長とか
目立ったことをやってきました。
周りの友達がどんな風に私を見ていたのか、それはよくわかりませんが、結婚し、
長女をガール・スカウトに 入団させたとき、その集会で先輩のお母さん方に言わ
れたことがあります。
「竹田さんは背中にヤリガイを背負っているのよね。」
何のことだか、よくわかりませんでした。
その後、だんだんと意味がわかってくるのですが、本当は遣り甲斐を背負っている
のではなく、認められたい! と願う私の必死の姿だったのではないでしょうか。。。
良妻賢母になる!
これが私の大きな目標でした。
けれど、同居をちゃんと理解して結婚したはずなのに、妊娠・出産・育児と生活が
変るに従い、到底ここでは生きて いけない と感じるようになりました。
まず、『良い嫁』というわらじを脱ぎ捨てました。
子供を育てる最中にも、問題はたくさん出てきて私の思うような母にはなれず、
子供たちも私の理想とする子供には 育ちませんでした。
『賢い母』にもなれなかったのです。
お前は天使と悪魔だ
これは何度か夫に言われた言葉です。
良いときはこれ以上ないくらいすばらしい妻であり、母であり、おんなであるのに、
悪くなると救いようがない。。。
悪魔よりも始末に負えない、というのが彼の言い分でした。
『天使になんかならなくても良いから、悪魔にもなるなよ』
彼はせつなそうに私に言いました。
それでも、私は天使をやめられなかった・・・
なぜなら、自分に自信がなくて、どうすれば気に入ってもらえるかわからなくて、
とにかく思いつく限りの彼にとって、 子供にとって良いこと をしなければいけない
と思い込んでいたのですから・・・
でも、それって土台無理な話なのですよね。
演技しているのですから・・・ 疲れてくると、仮面をはいでしまう。
衣装も金繰り捨ててしまう・・・
私が一生懸命していることを、なぜあなたたちはわかろうとしないの!?
それが私の言い分でした。
爆発した後は、お決まりの自己嫌悪。
どうして私ってこうなんだろう・・・
なぜ 良い妻よい母でいられないんだろう・・・
あ~あ 駄目な私・・・
今の私は、不良妻不賢母のススメ を書きたいな と思うほど、お気楽人間に
なりました。
どうしてなのでしょう?
ありのままの自分を自分で認めたから だと思います。
どじで、器用そうに見えて不器用で・・・
良い人と言われることも多いけど、本当は結構冷たい人間みたいだな とか。。。
高校四年生のとき、倫社の先生にあなたは傲慢だ、と言われたけれど、どうしてそんな
言われ方をしなくてはいけないのか? と訳がわからなかったのに、今は、うんうん
そうかもしれないな と頷いている自分がいます。
竹田惠美子という人間の姿をすなおに見つめた結果見えてきたものを、いま 私は
いじらしいと思い、大好きだなと思う ようになったのです。
生意気で、やはりいまだに少し傲慢で、見かけと実際にかなりなギャップがある・・・
それらを良い方に解釈すると、
一生懸命で、自分のこころに正直で、見かけよりも芯の強い人・・・
そう解釈することで、均衡を保っているのです。
私はメロンでも桃でもない。ただのスイカだったのだ、と悟った結果、メロンにはない
桃にもない、スイカの良さを 見つけて、それを伸ばせばよいのではないか
そう気がついたからです。
そうこころを切り替えることで、駄目な私から、結構イケテル私へと脱皮したのでは
ないかと思います。
2003.10.18
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